齋藤英彦(第30回日本医学会総会会頭)
第31回医学会総会が春日雅人会頭のもとに2023年4月末に東京で開催されることをまずお喜び申し上げます。名古屋での経験から言っても、一番重要なのは参加者を集めることであります。そのためには魅了するプログラムが重要なことは言うまでもありません。中部で開催した時には、八県の医科大学・医学部および各県医師会の全面的な協力が得られたことが大きかったと考えます。プログラムの作成では、医学会の各分科会の意見も重要であるが、なるべく横断的に構成するとよいと思いました。またこれから来年の春までに突発的な事件が起こらないとも限らないので(第24回の名古屋総会では1月末に、不幸にして、阪神淡路大震災が起こり、急遽プログラムを追加した)、すきまは残した方がよいでしょう。さて、委員で最も大切なのは準備委員長と幹事長でしょう。その人選が成否を決めると言っても過言ではありません。
経済面でも参加者数は大きく影響するし、地元の財界のバックアップも欠かせません。つまり地域全体の後押しなしには不可能であります。
東京の場合には、参加者についても“基礎票”が多いし、過去に開催した経験の点でも、各種委員会の人材の点でも、心配はいらないと思います。メインテーマはそれぞれの時代に応じて決められており、2023東京の「ビッグデータが拓く未来の医学と医療~豊かな人生100年時代を求めて~」はまさに時代にふさわしく、とても魅力的です。最近の学会では、新型コロナ感染症が学会の在り方にも影響しており、今後、医学会総会の開催方式も影響を受けるのではないかと思います。
市民展示は目玉である一方お金がかかる催しであります。しかし、将来の日本を担う子供たちに医学・医療の現状・将来を知ってもらい、興味をもってもらうことは4年に一度の医学会総会の大きな使命であります。学術プログラムのみならば参加費をかなり安くできるはずであり、メディカルスタッフの参加費をできるだけ安くすることも大切であります。
昭和43年 3月 名古屋大学大学院医学研究科修了、医学博士
昭和51年 7月 米国 Case Western Reserve 大学医学部内科 Assistant Professor
昭和57年 2月 佐賀医科大学教授(内科学)
昭和59年 10月 名古屋大学教授(内科学第一講座)
平成 3年 7月 名古屋大学医学部長 併任(~7年6月まで)
平成10年 11月 名古屋大学医学部附属病院長 併任(~12年10月まで)
平成13年 4月 国立名古屋病院(国立病院機構名古屋医療センター)院長
平成14年 4月~ 名古屋大学名誉教授
平成18年 4月~ JR東海総合病院(名古屋セントラル病院)院長(~23年3月まで)
平成18年 4月~ 国立病院機構名古屋医療センター名誉院長