役員インタビュー

冲永 寛子 式典委員長

略歴

1999年 東京大学医学部医学科卒業

2001年 帝京大学医学部第四内科学講座 助手

2004年 学校法人帝京大学 理事

2005年 学校法人帝京大学 常務理事

2006年 帝京大学医学部内科学講座 教授

2006年 帝京大学 副学長

2007年 帝京平成大学 学長

ライブ中継でも出来るだけ一体感の持てる開会式に
閉会式は肩の力を抜いたまとめの場に

ハイブリット形式なので、忙しい方もぜひ参加を

冲永 寛子 式典委員長

──本日はご多忙のところ、お時間をいただき有難うございます。
会期まであと1年、医学会総会の「顔」となります式典委員長としての重責を担っておられる冲永寛子先生にお話を伺います。他の委員長にもお聞きしておりますが、まず先生のお考えになる医学会総会の意義について教えていただけますか?

──本日はご多忙のところ、お時間をいただき有難うございます。
会期まであと1年、医学会総会の「顔」となります式典委員長としての重責を担っておられる冲永寛子先生にお話を伺います。他の委員長にもお聞きしておりますが、まず先生のお考えになる医学会総会の意義について教えていただけますか?

日本医学会総会には多くの意義がありますが、私がとらえている意義は3つほどあります。

まず、第1には皆様がおっしゃっているように最新の知見が得られる場であるということです。これだけ専門分野が細分化されている時代ですので、自分の専門外の知見も最新のものにアップデートしていかなければいけません。そのために最適の場であろうと考えます。

第2に専門家たちの情報交換の場として大変貴重です。今回は会頭、準備委員長のお計らいで、男女参画(ダイバーシティ)、U40などダイバーシティーインクルージョンに関する考え方も取り入れていただきましたので、分野や性別を超え、世代も超えて情報共有ができる最大の場であると考えます。

第3が社会に対する発信の場であることです。医療についてもこれだけ様々な情報があふれている時代に最も信頼できる知識をお届けする機会だということ。この3つが私の感じている意義となります。

──おっしゃるように医学、医療の最高の知見を多方面の方々にお届けする、まさに「医学の祭典」といった意味合いになりますね。

はい。特に今回は南学学術委員長のお考えで医療従事者にも興味をもっていただけるプログラムをご準備されておられますし、参加しやすい料金体系にもなっています。ハイブリッドでの開催ですから、まとまった時間が取れない忙しい医師たちにもぜひ参加して知識を吸収していただけたらと思います。

ウイズコロナが避けられない中でもベストを尽くしたい

──それでは式典のお話しを伺います。
先生は式典委員長でおられますが、冲永佳史先生は顧問でいらして、ご夫妻で医学会総会の重責を担っておられるのは歴代初めてではないでしょうか?

そうかもしれませんね。

──式典委員長の役割についてお聞かせください

式典は主に3つあり、開会式、閉会式、会頭招宴について企画・調整しながら進めております。

──コロナの状況を踏まえての企画と準備は大変なものがあろうかと思いますが?

そうなんです。新型コロナウイルスの感染の状況を踏まえまして準備を進めているところでございます。開会式に関しましては骨子が大分固まってまいりまして、会場の人数を制限する代わりに、ライブで中継してご覧いただく方法をとる予定です。会場である国際フォーラムのホールAの定員5,000人のところを1,000人弱に制限するのですが、できるだけ一体感の持てる開会式にしたいと考えています。開会式講演は、春日会頭、松本日本医師会長、門田日本医学会長にお願いをする予定です。

閉会式は肩の力を抜いた“まとめの場”として設定するつもりです。会期中の映像なども流してホットに振り返るという趣向も企画中です。閉会講演として尾身茂先生、JAXAの津田雄一様、山中伸弥先生にお願いすることになっており、ライブ中継で一般の方にも公開して聴いていただく予定ですので期待していただきたいです。

会頭招宴は、会頭が医学会総会を開催するにあたりご尽力いただいた方々をお招きして感謝の意を表すという趣旨のものですが、この新型コロナの影響で企画はこれから…というところです。本来ならば和気あいあいと開催前夜に関係者一同喜びをともにしたいところなのですが…。

──ここで、式典委員長になられた思いなどをお聞かせいただけますか?

今回の第31回は、24年ぶりに東京で開催される大会です。様々な思いの詰まった東京大会になりますが、参加者の想いがひとつになった式典になればよいと願っております。開会式ではこれから始まる学術集会や展示・博覧会への期待感を盛り上げ、閉会式においては皆様1人ひとりが体験したことを胸に次のステップに踏み出せるような内容にしたいと思っています。

──開会式などの式典はシンボルともなるものなので、ご苦労が多いこととは思いますがどうぞ良い式典にしていただくようお願いいたします。

春日会頭や門脇準備委員長のご協力の下、何とか務めて参りたいと思います。当初はポストコロナの予想をしていましたが、このままだとウイズコロナが避けられない状況ですので、その中でベストを尽くすしかないと覚悟を決めております。

デジタルリテラシーが一気に高まった教育現場

冲永 寛子 式典委員長

──ここで少し先生のご専門について伺います。大学の運営にお時間を取られる毎日かと思いますが、診療もされているのでしょうか?

今でも週1回は外来を担当しています。私の専門の内分泌、ホルモンの病気は罹患しますと一生涯かかわっていく長い経過をたどる病気ですから継続的に診察している患者さんもいらっしゃいますし、私自身の原点に立ち戻る大切な場所でもあります。

──先生は大学をリードするお立場ですので、学生さんや若い人の教育についてお聞かせ願えるでしょうか?

──先生は大学をリードするお立場ですので、学生さんや若い人の教育についてお聞かせ願えるでしょうか?

はい。私は帝京大学の副学長、帝京平成大学では学長という立場で日々学生の教育に向き合っております。教育、研究、社会貢献のアレンジ、教職員との関わりなどを進めております。

──そうしますと医学部だけではなく、総合的にすべての学部の学生さんを育成なさっていらっしゃいるのですね。

そうですね。人材育成ということに重きを置いています。最近は、学生に知識を与えるだけではなく、学生が何を身につけたかということが重要視されています。教員が「このように知識を伝達した」というより「それによって学生が何を身につけたか」ということですね。どういう人材になって社会に貢献するか、ということが重要です。学生がどういうことをやってきたかを振り返ることを大切にしています。ただ単に試験で何点取るということではなく、その授業で何を学んだかを教員と学生がきちんと確認し、今年よりも来年、来年より再来年、と進歩が見えるようにしていくことを心掛けています。それによって学生たちが自分にできること、したいことに「気づき」を得ることができる指導をしています。

医療系の学部は実習の比率が高いですが、その他の学部でも自分のプロフェッショナルナリズムがどういうところにあるのかを認識することを1年生のときから少しずつ学び、自分の進む道を見つけていけるようにしています。

──コロナ禍でいろいろな分野が大きな影響をうけていますが、教育の点ではいかがでしょうか?

もちろん授業はオンライン化を余儀なくされましたが、大きな効果があった1つとしてデジタル化に関するリテラシーが教員も学生も一気に高まったことです。それまでは、関心の高い技術をもった教員が準備をしていましたが、今はそう言っていられなくなり一気に普及しましたね。

──デジタル化は確かに有用性も高いですが、若い人のコミュニケーション能力の醸成についてはどうお考えですか?

併用ですね。デジタル化で能率よく知識を吸収して、それを実際に生かしコミュニケーションを図るのが大切ですね。

──医学部の教育の特化したものはありますか?

医学部としては1年生から6年間をかけてしっかりとした知識や技能、そして人格形成、医療人として全人的に教育していくということを心掛けています。

──高齢化社会になり、患者さんも高齢化して意思の疎通を図ることにおいても心配りが必要だと思いますがその辺はいかがですか?

医学部に限らず医療系の学部に共通していますが、低学年の時に介護施設などの実習を取り入れています。実際の生活の中でご高齢の方と接する機会がないので出来る限りそういう機会を設けるようにしています。

──帝京大学医学部は女子学生の比率はいかがですか? そのための教育はされていますか? また結婚、出産といった節目を乗り切るための手立てなどがあれば教えてください。

本学医学部の女子学生の比率は近年37~40%です。帝京大学では1年生の時に男女共同参画を選択に取り上げており、各方面で活躍されている女性にキャリア構築などのお話しを伺ったりしております。

出産後のサポートについてはもちろん可能なことは実行しておりますが、一番大事なことは本人の「続ける」意思です。私も経験しました。本当に大変でくじけそうにもなりますが、幸い今は種々の有料の外部サポートもあります。それらを上手に使って乗り切っていくことが大切ですね。

総合的に言って、男女間のジェンダーギャップの埋まり具合のスピードの遅さに忸怩たる思いはありますが、それでも女性の教員が増え、管理職も増えてきてはいます。諸外国のスピードにはついていけませんが…。

充実の学術プログラム・展示です。ぜひ来場を!

冲永 寛子 式典委員長

──女性の地位の問題になるとお話しは尽きませんが、ここでご多忙な先生のリフレッシュ法について伺います

──女性の地位の問題になるとお話しは尽きませんが、ここでご多忙な先生のリフレッシュ法について伺います

皆様ご趣味のことをいろいろお話しされていますが、私はリフレッシュしたいときはNETFLIXのドキュメンタリー番組などを観ます。歴史や偉大な人物の伝記を見ますと知的好奇心が満たされ、リフレッシュします。音楽はクラシックよりはポップスなどをよく聞きます。

──いろいろお話しをお聞かせいただきましたが、最後に参加を考えている方や博覧会を見に行こうという方に一言お願いいたします。

──いろいろお話しをお聞かせいただきましたが、最後に参加を考えている方や博覧会を見に行こうという方に一言お願いいたします。

学術プログラムも多岐にわたり充実していますし、展示も専門的なエリアから一般の方向けのエリアまであり、興味深い内容です。場所も丸の内界隈で行きやすいですし、会期中は楽しい場所になりますのでぜひ多くの方にお越しいただきたいです。

──本日は長時間楽しいお話をお伺いし、誠に有難うございました。

インタビュー日:2022/08/05
聞き手 長瀬 淑子(事務局アドバイザー)

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