役員インタビュー

北川 昌伸 副会頭

略歴

1981年 東京医科歯科大学医学部卒業

1985年 東京医科歯科大学大学院医学研究科病理学 博士課程修了(医学博士)、同学 助手(医学部)

1994年 東京医科歯科大学 講師(医学部)

1997年 東京医科歯科大学大学院 准教授(医歯学総合研究科)

2005年 東京医科歯科大学大学院 教授(医歯学総合研究科)

2017年 東京医科歯科大学 医学部長(現職)、同学医学部附属病院 病理部門 部門長(兼務)

2018年 一般社団法人 日本病理学会 理事長(現職)

2021年 国立がん研究センター 理事(現職)

今回のテーマ「ビッグデータが拓く未来の医療」は、
  人々が思い描く「豊かな人生」の醸成に大変タイムリーです

医学・医療のもつ社会的な意義を再認識する貴重な機会

北川 昌伸 副会頭

──副会頭の先生方には、明治35年から4年に一度粛々と開催されてきた医学会総会の意義についてお伺いしております。

これだけの大きな祭典は、大掛かりですべての分野が参加しているということで、学際的な知識の普及および医学・医療のもつ社会的な意義の再認識をする上で貴重な機会ととらえています。

──副会頭としての抱負や意気込みを教えてください。

準備委員長の門脇先生からお話しをいただいて、「“オール東京”でやりたい」とおっしゃっていらしたので、是非ご協力させていただきたいと思いました。非常に大きな視点で考え、新たな視点を探る必要があり、病理学会総会の会長を務めた時とは規模感が全く違うんですが、素晴らしい会を支えられるよう様々な面から支援していかれればと考えます。

医学会総会をせっかく東京でやるので、東京の多くの大学が協力しているというところを是非お見せしたいと思います。

覚悟としては、できることを精一杯やるしかないですね。

──今回のテーマが「ビッグデータが拓く未来の医療」ということで、先生が進められているビッグデータのAI化にも関連があり、ご興味があるのかなと拝察しております。

ビッグデータを駆使したデータサイエンスの可能性を模索し、現在の医学・医療が今後どのように発展していく可能性があるのか、医療関係者、一般の方々が思い描く「豊かな人生」の醸成に大変タイムリーで非常に興味があります。

病理学は医師の生涯教育

──北川先生ご自身についてお話しを伺います。
先生のご専門は、第1回の宮園先生と大きなくくりで言えば同じ病理学ですね。病理の中でも分野やお考えが違うと思いますが、先生は“医療人の生涯を通じて実践教育の根幹が病理ではないか”とおっしゃっていますが、この点について少しお話しいただけますか?

病理学というのはドクターオブドクターズ扱いになっていて、臨床の先生方にどういう病理体を持っていてどういう治療が奏功して、どこが失敗したのか、これを突き詰めていくというところから始まっている学問です。学生の教育はもちろんですが、医師の生涯教育、医師になっても勉強していくべき領域だと思っています。

研究ももちろんやらなければならないですが、研究の元になる資料・情報は病理にたくさんあり、患者さんからいただいたサンプルがあるので、どこがどう不思議でどこがどうわかっていないか知る意味では宝の山になっているのではないかな、と思っています。

──臨床にも病理は深くかかわっていますね。病理が診断したものが臨床に生かされる…。術中迅速診断なども緊急性があって、瞬時の検査で答えを導かなければいけないこともあり、重要な役割を担っていると思いますが、臨床の現場ではいかがでしょうか。

非常に責任が重い領域だと思っていますし、それを維持するための我々の修練、毎日努力していかないと遅れていってしまうので、責任を痛感します。

間違いをすると永久に証拠が残ります。臨床の先生が所見を取るときは、患者さんは時々刻々と変わっていくのであの時はああだったと立証するのは難しいでしょうが、病理は画像など証拠が残っているのでどこがどうだったかいつでも検証できる。奢ることなく色々な場面で振り返りながらやっていくべきだろうと思います。病理が間違えてしまうと患者さんに迷惑をかけてしまいます。毎日緊張感があります。

バレーボールから学んだ、チームワークの大切さ

北川 昌伸 副会頭

──先生は、宇宙工学を目指していた時期もあったと伺いましたが?

大学は東大の工学部を受けました。当時はアポロ計画とか宇宙に出ていくとかが最先端に近かったんです。新しいものができるのではないかなと思い工学部に進もうと思ったが、同時に東京医科歯科大学も受けていて、医学の方がむしろ分かってないことが多いのではないかと思うにようになって、医学部にしました。

──学生時代は、バレーボール部でエースアタッカーだったとか?

(笑)よくご存じですね!
中高と続けていて、大学では一般の大学で行われているようなハードなものではなく、どちらかというと勉強ばかりやってきた学生たちで運動能力に優れている人が少なく、レベルとしては非常に低いけれど、その中ではがんばれるぐらいにはやっていました。

試合にも沢山出ましたが国公立のなかで、筑波大学は非常に強いんですよ。身長も20~30cmも高くて、試合にはならなかった(笑)。

──勝ち負けはともかく良い青春時代を過ごされたということですね。

そうですね。それは一番自分の学生時代で印象に残っていることですし、教授になってからは顧問・部長をやらせていただいて、年に1回くらいですけど学生さんの試合を観に行ったりしてそれは非常に楽しかったです。

医学に限らず他の分野でもそうでしょうけれど、チームで何かをするというのは非常に大事なことで、いろんな職種の方と仲良くして協力し合っていかないと。どんな社会でも大事だと思います。

──オリンピックのバレーボールはご覧になりましたか?

何回か観ました。

我々の頃とはルールもだいぶ違っているし、もうレベルが全く違いますね。

多方面にわたって知識・刺激を得られる機会、若い方もぜひ参加を!

北川 昌伸 副会頭

──今回の医学会総会では、若手医療従事者により参加していただけるよう準備しています。また、今回から男女共同参画等委員会も新設され、若い方に興味を持っていただけるようなプログラムも準備中です。
先生から若手医療従事者へメッセージをお願いします。

医学会総会のように多方面にわたって知識・刺激を得られる機会は4年に一度しか経験できないので、若い方には是非参加していただきたいです。

昔は参加費が高かったんですが、学生さんは無料とか、若い医療従事者が参加しやすい参加費となっています。

──一般向け展示「博覧会」にも力を入れていますが、一般の方に医学会総会を観ていただくことについてはいかがでしょうか?

多くの方に医学界がどのようなことを目指し、実践し、改良、開発しようとしているのか、将来に向けた展望をどのように考えているのかについて共有していただき、様々な立場からご助言やご指導をいただくことに大きな意味があると信じています。

──本日はお忙しい中、楽しいお話しを聞かせて頂き、誠に有難うございました。

インタビュー日:2021/08/12
聞き手 長瀬 淑子(事務局アドバイザー)

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